突発的な変化に応じて都度行うのが往診
在宅医療は上手に利用することで快適に自宅で過ごすことができることから、患者さんも在宅での治療を希望されるケースが多いです。中でも往診についてしっかりと把握しておくことが訪問看護にとっても重要になります。
往診とは
往診は簡単に説明すると、通院が困難な患者さんに対して予定外に医師が患者さんの自宅まで訪問して診療することです。予定外というということからもともと計画的に行われているケアとは別に、突発的な症状の変化などから自宅に出向いてケアをすることが往診となります。
通院困難というのは各医師の裁量に任せて判断されますが、大きくは身体的な理由と社会的な理由の2つに分類して考えることができます。身体的な理由はそのまま通院をするために必要な身体的機能が老衰などの理由から機能していない場合や、認知症などで通院を本人が拒否してしまう場合などがあります。社会的な理由としては、通院の手段がない場合です。また、体調不良によっていつもは降りることのできる階段が降りられないといったものや、介助者がいないために通院ができないという場合があります。
これらに加えて往診の基本的なこととして、患者さんの普段を知っているかどうかという点があります。往診は基本的に緊急時的な対応となりますので、事前情報がない上に設備もない自宅などでは医療展開に限界があります。そのため普段訪問診療を行っているところやかかりつけの病院に連絡をつけるというのが往診の基本になります。
往診の費用について
この往診の費用については往診料とケアに使用する点滴や検査などが合わさって計算されます。初診であればこれにさらに初診料を加えて計算されます。診療内容にもよりますが、3割負担であれば点滴まで考えると概ね5000円程度、1割負担の方であれば1800円程度を見積もっておけば問題ないでしょう。また休日や夜中であったりするとこれにプラスしてもう少し費用がかかります。
往診で対応できること
緊急時の対応となるという点と自宅での設備が揃っているわけではない環境での医療ケアとなりますので、往診でできることには制限があります。そのため風邪やインフルエンザ、気管支炎などの疾患が対象となる場合が多いです。比較的軽度から中度の疾患が対象となり、在宅でのケアによって容態を落ち着けることができる疾患や症状で往診を行います。極度の痛みや意識障害などの症状が重度となる場合には救急車で対応をしなければなりませんので往診では対応を行いません。