訪問診療と往診の違い
在宅医療の中でも訪問診療と往診の大きく分けて2つの医療行為があります。この訪問診療と往診にはどのような違いがあるのかをここでは説明しています。
訪問診療について
訪問診療は計画にもとづいた定期的な検診や経過観察を行うことです。
患者さんの同意の上で週に1度、または2週に1度などスケジュールを立てて医師が患者さんの自宅に赴き診療を行います。患者さんのご家族から相談を受けた場合、病歴や現在の病状などを詳細に伺い、関係医療機関などからも情報収集を図ります。その結果を受けてどのような治療を受けたいか、ご家族の介護力や経済的な事情と照らし合わせつつ診療計画やスケジュールを立てていきます。
また、急変時には緊急訪問、入院手配を行ったり臨機応変に対応するとから「第一のかかりつけ医」として24時間体制で在宅容量をサポートしています。
往診について
一方で往診は通院が不可能である患者さんの要請を受け、医師がその都度自宅を訪問し診療を行うことです。
突発的な病状の変化に対して救急車を呼ぶほどでもない時の相談や診療などの役割を持ちます。そのため自宅にいながら病状の変化に困った際に、普段からお世話になっている医師にお願いするなどの臨時手段という面が大きいです。
新規の在宅医療が増える見込み
厚生労働省の試算によれば、2025年位は在宅医療を必要とする人数は29万人に達成すると言われており、実際に在宅療養支援診療所と病院の届け出数も右肩上がりになっています。また診療所の場合は届け出件数は1万3759件となっており、1医療機関当りの担当患者数は約66人となっています。
主に2つの訪問先がある
在宅療養支援診療所は大きく2つに分けられることになります。施設中心で在宅医療を行うタイプの施設と、個人宅を中心に在宅医療を行うタイプの2つです。
施設中心に在宅医療を行うタイプでは有料老人ホームや老人保険施設などを訪問して入居者の診療を行います。経営母体には自治体が行っているところもあれば、医療法人や社会福祉法人が行っているところなどが多様です。移動が少なく、一度に複数訪問できるため効率よく診療することができます。
一方、個人宅中心の在宅医療を行うタイプの施設では、個人宅に出向いて診療を行います。開業医が外来に並行して在宅も行うパターンと、在宅専門のパターンがあります。自宅を訪問するので患者さんとの距離が近く、地域医療の最前線を担うやりがいがあります。